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2025.11.06

地政学的リスク、貿易摩擦、円安…今、金相場が史上最高値を更新し続けている理由とは?

こんにちは!最近ニュースで「金価格が史上最高値を更新」という言葉をよく耳にしませんか?実は今、金相場が歴史的な高騰を見せているんです。

2025年9月29日には1グラムあたり20,018円という歴代最高値を記録し、10月には23,000円台を突破しました。コロナ禍の2020年には6,000円前後だったことを考えると、わずか5年で3倍以上に成長したことになります。

でも、なぜここまで金の価値が上がっているのでしょうか?今回は、この歴史的な金相場高騰の主な理由を分かりやすく解説していきます。

理由1:地政学的リスクの高まり

ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東地域の緊張激化、台湾海峡をめぐる対立や米中関係の悪化など、世界情勢の不安定な状況が続いています。

戦争や国際対立が表面化すると、投資家たちは株式や債券から資金を引き揚げ、「安全資産」とされる金に投資先を移します。国や企業への信頼が揺らぎ、通貨や株式の信用度が下がるにつれて、安全資産である金の需要は増加するのです。

金は「有事の金」とも呼ばれ、世界がどんなに混乱しても、その価値が失われることのない普遍的な資産として認識されています。

理由2:米中貿易摩擦とトランプ政権の影響

貿易

米国と中国の貿易摩擦の激化や地政学的リスクの高まりが挙げられ、特に米国のドナルド・トランプ大統領が新たな関税措置を発表したことで、投資家の間で安全資産としての金の需要が増加しました。

トランプ政権の予測しにくい外交政策は、国際関係の緊張を高め、投資家たちを不安にさせています。このような不確実性の中で、金は「確実な価値を持つ資産」として選ばれているのです。

理由3:インフレ懸念の継続

世界中で続くインフレも、金価格の上昇を後押ししています。金はインフレ下でも価値が目減りしない「インフレに強い資産」であるため、原油をはじめとする物価が上昇する局面で需要が増大します。

現金や預金は、インフレが進むとその価値が目減りしてしまいますが、金は実物資産として価値を保ち続けることができるのが大きな魅力です。

理由4:円安の影響(日本国内特有の要因)

円建てでの金価格が高騰している大きな原因は「円安」で、2025年10月現在「1ドル=147円台」をキープしており、例年と比較すると円安傾向にあります。

金は国際的にはドル建てで取引されますが、日本国内では円に換えて取引されるため、円安になると国内の金価格はさらに上昇します。これが、日本での金価格が特に高騰している理由の一つです。

理由5:各国中央銀行による金の購入増加

リスクを懸念する投資家や各国の中央銀行は、安全資産である金へ投資先を移しています。特に中国やロシアなどの国々が外貨準備として金を積極的に購入していることも、需要を押し上げる大きな要因となっています。

今後の金価格はどうなる?

金相場用イメージ 金塊やコイン

世界情勢がさらに悪化しない限り、短期的(3ヶ月)・中期的(1年程度)には、金価格は一度落ち着くもしくは下がる可能性があると見て良いでしょう。ただし、長期的に見れば金価格はゆるやかに上昇することが見込まれています。

金の埋蔵量には限りがあり、希少価値の高い資源であることに変わりはありません。世界情勢の不透明感が続く限り、金は安全資産としての地位を保ち続けるでしょう。


いかがでしたか?金相場の高騰は、世界の不安定さを映す鏡のようなものかもしれませんね。もし手元に金製品をお持ちの方は、今が売り時かもしれません。一方で、長期的な資産形成を考えている方にとっては、金投資は引き続き魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。