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ロレックスの中古相場は、ここ3年で大きく見え方が変わりました。

↑当オークションで落札されたデイデイト。
2021年から2022年にかけては、世界的な高級時計ブームや新品の入手難を背景に、多くの人気モデルが定価を大きく上回る水準で取引されました。その後、2023年から2024年にかけては過熱感が落ち着き、相場は全体的に調整局面へ入ります。
そして2025年後半から2026年にかけては、すべてのモデルが一律に上がるというより、「強いモデルは強いが、仕様によって差が出る」相場になっています。つまり今のロレックス市場を見るうえでは、単に「ロレックスだから高い」と考えるのではなく、モデル、型番、文字盤、素材、付属品、年式まで分けて見ることが重要です。
この記事では、主要モデルのこの3年の動きをもとに、国内の買取相場と海外の中古市場動向を交えながら、ロレックス相場の現状を整理します。
ロレックス市場全体は「調整後の選別相場」へ
海外の二次流通データを見ると、ロレックス全体の相場は2022年ごろのピークから一度落ち着き、2026年時点ではモデルごとの差がはっきり出ています。
WatchChartsのRolex Market Indexは、2026年5月25日時点で28,529 USD。1年では+7.0%、2年では+4.0%とされています。一方、5年では-6.3%となっており、コロナ禍の過熱相場を含めた長い目線では、ピーク時からの調整がまだ意識される水準です。
この数字から見えるのは、ロレックス全体が再び一気に高騰しているというより、2023年から2024年にかけての調整を経て、2025年後半から2026年にかけて一部モデルが持ち直しているという流れです。
特に強いのは、デイトナ、GMTマスターIIの一部、人気色のオイスターパーペチュアル、スカイドゥエラーの青・緑系などです。反対に、流通量が多いモデルや人気仕様から外れる個体は、以前ほど強気な価格が通りにくくなっています。
デイトナ:依然としてロレックス相場の中心

デイトナは、ここ3年の調整局面を経ても、ロレックスの中で特に強いモデルです。
現行世代の126500LNは、海外のWatchChartsで2026年5月時点の市場価格が約31,121 USDとされています。国内買取相場でも、白文字盤・黒文字盤ともに高い水準で、白文字盤は黒文字盤より評価されやすい傾向があります。
ただし、2021年から2022年のような「どの個体でも一気に上がる」相場ではありません。2023年以降は過熱感が落ち着き、現在は白文字盤、黒文字盤、年式、保証書日付、未使用に近い状態かどうかで差が出やすくなっています。
この辺りは実際に弊社で開催しているオークションの相場とも合致しています。落札者も文字盤の色や年式、保証書についての確認が増えています。
買取店の目線では、デイトナは今も集客力のあるモデル。一方で高額品ほど在庫リスクも大きいため、保証書、箱、余りコマ、タグ、研磨歴、傷の有無が査定に大きく影響します。
サブマリーナ:高値圏ながら安定型

↑こちらは当オークションで好評だったサブマリーナ、グリーンベゼル。付属品の有無もしっかりと記載しています。
サブマリーナは、ロレックスの中でも流通量と認知度のバランスがよい定番モデルです。126610LNは、海外では2026年5月時点で約13,688 USD、国内買取では約225万から227万円前後の掲載例が見られます。
この3年で見ると、サブマリーナは2022年の高値から調整した後、急騰というより安定推移に近い動きです。WatchGuysの解説でも、126610LNは2022年初めに約18,000 USD付近でピークを付け、その後2024年から2026年にかけてピーク比で15〜20%ほど下の水準に落ち着いたとされています。
つまり、サブマリーナは「大きく跳ねるモデル」というより、需要が底堅く、売買しやすいモデルと見るのが自然です。黒文字盤の126610LN、ノンデイトの124060、グリーンベゼルの126610LVでは評価が異なるため、記事や査定ではひとまとめにしない方がよいでしょう。
GMTマスターII:Pepsiが相場を引っ張る

GMTマスターIIは、ここ3年で特に話題性の強いモデルです。中でも赤青ベゼルの126710BLRO、いわゆるPepsiは、海外・国内ともに強い相場を維持しています。
WatchChartsでは、126710BLROの2026年5月時点の市場価格が約21,863 USDとされています。国内でも、ジュビリーブレスとオイスターブレスで差があり、ジュビリーの方が高く評価される掲載例が目立ちます。
2026年は、Pepsiの生産終了・仕様変更に関する情報が相場に大きく影響しました。海外の市場解説でも、2026年1月ごろに約18,995 USDだった平均価格が、4月には約21,352 USDへ上がったという指摘があります。
ただし、短期的な話題で上がった価格は、落ち着く可能性もあります。買取・販売の現場では、Pepsi、Batman/Batgirl、Sprite、Bruce Wayneなどを分け、さらにブレスレットの種類や保証書日付まで確認する必要があります。
エクスプローラー:派手さより安定感
エクスプローラーは、デイトナやGMTマスターIIほど派手な値動きではありませんが、ロレックスらしい安定感があります。
124270は36mmケースに戻った現行系モデルとして、実用時計を好む層から支持されています。海外の掲載例では約6,500から8,975 USD、国内では約100万から150万円台の買取目安が見られます。
ここ3年の流れでは、相場の主役というより「過熱しすぎない定番」として見られます。36mmを好む層には124270、やや大きめを好む層には224270という選択肢があり、サイズの好みが価格や売れ行きに影響します。
査定では、シンプルなモデルほどケース傷やブレスの状態が目立ちます。保証書や余りコマが揃っているか、過度な研磨がないかも重要です。
デイトジャスト:仕様差が価格差になる代表モデル
デイトジャストは、ロレックスの中でも流通量が多く、組み合わせの幅が広いモデルです。126334は、海外で約14,058 USD、国内買取では約206万から207万円前後の掲載例があります。
この3年で見ると、スポーツモデルほど大きく振れる相場ではありません。ただし、ミントグリーン、ブルー、スレートローマ、ウィンブルドン、フルーテッドベゼル、ジュビリーブレスなど、人気仕様は明確に評価されやすくなっています。
反対に、同じ126334でも文字盤、ブレス、インデックス、ダイヤの有無によって価格が変わります。買取店や中古販売店のブログでは、「デイトジャストは安定」とだけ書くより、「人気仕様は強く、標準仕様は状態と価格のバランスが重要」と書いた方が実態に近いです。
オイスターパーペチュアル:カラーで別物になる
オイスターパーペチュアルは、ここ3年で文字盤カラーの影響が非常に大きく出たモデルです。
124300のベースモデルは、WatchChartsで2026年5月時点の市場価格が約8,750 USD。一方で、ターコイズ、イエロー、コーラルなどの人気色は大きなプレミアが付き、国内でもターコイズ系は約340万円台の買取相場掲載例があります。
このモデルは、同じ型番でも色によって相場がまったく違います。黒やシルバーのような定番色と、ターコイズのような希少色を同じ「オイスターパーペチュアル41」として語ると、相場感を誤りやすいモデルです。
買取目線では、文字盤の真正性、交換歴、保証書、付属品、サイズ確認が大切です。特に人気色は価格差が大きいため、査定時の確認項目も細かくなります。
スカイドゥエラー:人気文字盤は強いが個体差も大きい
スカイドゥエラーは、ロレックスの中でも複雑機構を備えた上位モデルです。336934は、WatchChartsで2026年5月時点の市場価格が約23,348 USD、国内参考相場では約491万円の掲載例があります。
ここ3年では、青文字盤や緑文字盤、ジュビリーブレス仕様への注目が高まりました。2026年1月の定価改定もあり、定価と二次流通価格の差を意識する人が増えています。
一方で、スカイドゥエラーはサイズが大きく、複雑機構を搭載しているため、誰にでも売りやすいモデルというわけではありません。動作状態、修理履歴、保証の有無、ベゼルやブレスの傷が査定に影響しやすい点に注意が必要です。
ヨットマスター:過熱感は薄いが堅実な需要

当オークションでも根強い人気です。
ヨットマスター126622は、海外で約13,731 USD、国内ではスレート系で約190万から235万円の買取掲載例があります。
この3年で見ると、デイトナやGMTマスターIIのような大きな話題性はありませんが、定価近辺から小幅なプレミアを保つモデルとして見られます。スレート、ブルー、ロレジウムの上品な雰囲気があり、サブマリーナーよりもドレス寄りのスポーツモデルを好む層に向いています。
査定では、プラチナベゼルの傷、ブレス状態、研磨の有無が重要です。過度に強気な相場というより、状態の良い個体を適正価格で扱うモデルといえます。
国内相場と海外相場の違い
ロレックスの相場を見るときは、国内価格と海外価格を単純に円換算しないことが大切です。
海外のWatchChartsなどは、マーケットプレイスや取引データをもとにした推定市場価格が中心です。一方、国内の買取店ページは、業者が再販売を前提に提示する買取参考価格です。
同じモデルでも、海外では高く見えて国内買取ではそこまで伸びない場合があります。理由は、為替、税金、輸入コスト、国内在庫、販売チャネル、保証対応、真贋確認コストなどが異なるためです。
そのため、ブログで価格を書く場合は、「海外二次流通では約○○USD」「国内買取参考価格では約○○万円」と分けて表現するのが安全です。
価格が上がりやすいモデルの特徴
この3年の動きを見ると、価格が強く出やすいモデルにはいくつか共通点があります。
- 正規店での入手が難しい
- ステンレスのスポーツモデルで認知度が高い
- 生産終了や仕様変更が意識されている
- 白、青、緑、ターコイズなど人気文字盤である
- 箱、保証書、余りコマなどが揃っている
- 年式が新しく、未使用に近い状態である
特にデイトナ、GMTマスターII Pepsi、ターコイズのオイスターパーペチュアルなどは、この条件に複数当てはまります。

オークション出品時にも箱がある、という点は重点的に落札者さまにお伝えしています。
価格が下がりやすいケース
反対に、相場が弱くなりやすいケースもあります。
- 付属品が欠けている
- 保証書がない
- ケースやブレスに目立つ傷がある
- 過度な研磨でケース形状が変わっている
- 流通量が多く、国内在庫が多い
- 人気仕様ではない文字盤や素材である
- 海外相場は高いが国内で売りにくい
ロレックスはブランド力が強い時計ですが、どの個体でも同じように評価されるわけではありません。特に2023年以降の相場では、状態や仕様の差が以前より見られやすくなっています。
まとめ
ロレックスの価格相場は、ここ3年で「過熱相場」から「選別相場」へ移りました。
デイトナやGMTマスターIIのように今も強いモデルはありますが、ロレックス全体が一律に上がっているわけではありません。サブマリーナーは安定感、デイトジャストは仕様差、オイスターパーペチュアルはカラー差、スカイドゥエラーは人気文字盤と状態差、ヨットマスターは堅実な需要がポイントです。
中古ロレックスの相場を見るときは、モデル名だけで判断せず、型番、文字盤、素材、ブレス、年式、付属品、国内外の流通状況まで確認することが大切です。
買取や販売の現場では、価格が上がるか下がるかを断定するよりも、「今どの仕様に需要が集まっているか」「どの条件なら査定で評価されやすいか」を丁寧に見ることが、納得感のある売買につながります。

